Control
動力学同定の励起軌道設計
重力・摩擦・慣性を分けて同定する 3 段階プロトコルと、フーリエ級数軌道の条件数最適化
要点
性質の違うパラメータは分けて同定する: 重力は静止姿勢グリッド、摩擦は定速往復、慣性はフーリエ級数軌道の条件数最適化。軌道は URDF (リミット・回帰行列) から自動設計できる。
3 段階プロトコル
1. 重力項 (静的)
- 姿勢をグリッド状に変えて静止保持し、保持トルクを記録
- 静止では慣性・コリオリ・粘性摩擦が消え、重力パラメータ (m·lc) だけが残る
- 姿勢集合は重力回帰行列の条件数が良くなるよう URDF から自動選定できる
- Coulomb 摩擦の混入は同一姿勢へ両方向から到達して平均で消す
2. 摩擦 (軸ごと)
- 一定速度往復を複数速度 (±5 段階程度) で実行
- 速度-トルク平面で Coulomb (切片) + 粘性 (傾き) を直線フィット
- 方向別に非対称を許すモデルにする
3. 慣性項 (動的)
有限フーリエ級数軌道 (Swevers らの標準手法):
- 基本周波数 は 0.1 Hz 級、高調波 N = 5 程度
- 周期軌道 → 複数周期の平均でノイズ低減。帯域制限 → 構造振動を避けられる
- 係数は回帰行列 Y の条件数最小化で最適化。制約は関節リミット・ 速度/加速度上限・自己干渉 (全部 URDF から取れる)
- 手動の波との違い: どのパラメータがどれだけ励起されたかが数値で保証される
検証と実務
- 交差検証必須: 同定に使っていない軌道で予測トルク vs 実測を比較し NRMSE を報告。同定の信頼性の唯一の客観指標
- 加速度は実測速度をゼロ位相フィルタしてから微分して作る
- トルク飽和・リミット到達サンプルは回帰から除外
- 実機投入前に軌道をビューアで再生して干渉・リミットを確認
- 最小二乗解の物理的整合性 (質量 > 0、慣性の三角不等式) を検査。 違反するなら制約付き同定 (SDP) に切り替える
パイプライン
URDF → 可同定性解析 (ベースパラメータ・ランク)
→ フーリエ係数最適化 → 軌道書き出し
→ 実機再生 → MCAP 回収 → 最小二乗 → 交差検証 → URDF 更新関連
最終更新: