Robotics
URDF を正データにする構成の限界と先行例
URDF に書けない物理量 (アクチュエータ・摩擦・閉ループ)、サイドカー構成、FloBaRoID / Drake / MJCF との比較
要点
校正済みモデルを唯一の正として全工程が参照する構成 (model-based design) は正しい。ただし URDF 単独では表現力が足りず、URDF + サイドカーファイルの併用が現実解。
URDF に書けないもの
- アクチュエータ: トルク定数、減速比、ロータ慣性 (反映慣性)。FF 計算に必要だが置き場が無い
- 摩擦:
<dynamics damping="" friction=""/>の 2 スカラのみ。 Stribeck・負荷依存・温度依存は表現不可 - 閉ループ機構: 平行リンク等。木構造のみ
- バックラッシュ、リンク剛性
同定で得たい情報ほど URDF に入らない。対策:
- サイドカー方式: URDF (剛体の正) + YAML (アクチュエータ・摩擦の正) を 同一 repo で版管理
- ros2_control の
<ros2_control>タグにハードウェア情報を寄せる - 器ごと MJCF / SDFormat に移る (ROS との接続性と引き換え)
先行システム
| システム | 特徴 |
|---|---|
| FloBaRoID | URDF → 励起軌道生成 → 同定 → URDF 書き戻しの OSS。物理的整合性を SDP 制約で保証。開発停滞・CLI のみ |
| Drake | モデル中心設計の最も厳密な実装。動力学・同定・最適制御が一貫。研究者向けで導入コスト大 |
| MJCF (MuJoCo) | アクチュエータ・閉ループ・摩擦を書ける上位の器。ROS 接続が弱い |
| SDFormat | 閉ループ・センサを書ける Gazebo 系形式 |
同定の物理的整合性
素の最小二乗は物理的に不可能な解を返しうる:
- 質量が負
- 慣性主軸モーメントの三角不等式違反 ( 等)
- 正定値性の欠如
対策は制約付き同定 (SDP / LMI 定式化) か、事後の妥当性検査で弾く。 FloBaRoID は前者を実装している。
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