Robotics
ばね平衡 (spring counterbalance)
重力トルクをばねで打ち消して定常たわみを減らす。振動には減衰が別途必要
要点
ばね平衡は定常たわみに効くが、振動には効かない。たわみと振動は別の物理で、対策も別。
数字 / 式
- 定常たわみ (関節角) ≈ 重力トルク τ_g ÷ 関節実効剛性 K_p。手先換算はリンク長を掛ける (例: 偏差 2° × 腕長 0.85 m ≈ 30 mm)
- ばね平衡はこの τ_g を機械的に打ち消す → 偏差・モータ定常電流・発熱が同時に減る
- 固有振動数 ω = √(k/m)。ばねは k を足すので ω が変わるだけで、減衰比 ζ は増えない
- カウンターウェイトでも τ_g は打ち消せるが慣性 m が増えて振動はむしろ悪化しうる。 ばね式 (定トルクばね・ガススプリング・ゼロ長ばね機構) は慣性増なしで有利
詳細
2 リンクアームの手先が指令からずれる主因のひとつが、重力トルクを PD ドライブが支える ときの定常偏差。対策は 3 系統で役割が違う:
- 機械 (ばね平衡): 姿勢に応じた重力トルクをばねで相殺。ゼロ長ばね (zero-free-length spring) 構成なら全姿勢で厳密に釣り合う。実装は定トルクばね・ガススプリングが定番
- 制御 (重力補償 FF): モデルから τ_g を計算してトルク指令へ加算 (Pinocchio 等の 動力学ライブラリで計算するのが一般的)。ばねの制御版。トルク制御できる駆動系が前提
- 計測 (閉ループ補正): 手先の実位置 (外部カメラ・真値 TF・FK) と指令の差を測って 目標をずらす。系統誤差が姿勢依存で残る場合の実務的な最後の一手
振動 (ビヨンビヨン) は上記では消えない。振動を減らすのは減衰の仕事: ダンパ、制御の D 項、入力整形 (input shaping)、加減速プロファイルの丸め。 また「押し付けすぎ」等の過大な指令が加振源のことも多く、その場合は軌道側の修正が先。
関連
- /docs/control/pid — 定常偏差と FF の関係
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