Robotics
E-stop用モーター電源リレー
24V/40A連続・有負荷遮断のメイン電源リレーに必要な性能と候補、故障診断
要点: 常時励磁・全負荷中の遮断には、DC遮断定格を持つ「DCコンタクタ」を選ぶ。連続40Aなら carry 60A クラス以上。
必要スペック (24V / 連続40A / 有負荷遮断)
- 連続通電 (carry) 定格: 40A の 1.5〜2 倍 → 60A 以上。接点・端子の温度上昇で決まる
- DC遮断 (break) 定格: DC24V で 40A+α を確実に切れること。カタログに DC 抵抗負荷/モータ負荷の遮断値が明記されているもの。E-stop 動作は稀なので電気的寿命 (回数) は少なくてよく、「1回でも確実にアークを切れる」ことが本質
- 突入耐量: 起動時に閉状態で定格の 5〜10 倍 (数百A) 流れても溶着しないこと (過負荷通電定格)
- コイル: DC24V・連続励磁 (100% ED) 対応。保持電力が小さいもの (エコノマイザ内蔵で 1〜2W)。サージ対策はダイオード単体だと遮断が遅れるため、ツェナー+ダイオードかバリスタ
- 接点構成: SPST-NO (a接点) 1極で十分。溶着検知したければミラーコンタクト付き
通電容量と遮断容量は別物
カタログの大きな電流値 (例: 200A) は多くの場合「通電容量」。有負荷で切れる保証値 (遮断容量) は別に規定される。船舶用バッテリーリレー等は「ほぼ無負荷で開閉し、大電流は通電するだけ」という想定の製品で、遮断定格が記載されないことが多い。
ただし DC24V はアーク的には切りやすい領域 (DCコンタクタの本領は 300V 超)。接点ギャップの大きい 200A 級気中リレーなら 24V/40A の遮断は実際にはこなせることが多い。「動くか」と「保証があるか」を区別すること。
- 船舶用 200A リレーを使う場合: メーカーに遮断可否を確認するか、全負荷 E-stop 試験を数回行って接点の溶着・荒れを点検。予備を持つ
- 安全審査で遮断定格の根拠を求められる大会では、保証値のある DCコンタクタにする
故障診断 (励磁しても駆動しない)
復帰時に「カチッ」と動作音がするかで切り分ける。
音がしない → コイル系
- コイル断線: テスターで抵抗測定 (24V 品で数十Ω、∞なら断線)。連続励磁の過熱が主因
- コイル駆動側の故障: サージ対策なしでコイルを切ると逆起電力 (数百V) で駆動素子や E-stop スイッチ接点が損傷
- コイル電圧不足: モータ負荷でバスが垂れる + 配線降下で定格 -20% 等になると吸引できない (故障ではない)
音はするが主回路が導通しない → 接点系 (気中銀接点で最多)
有負荷遮断の繰り返しでアークにより接点表面が荒れ、酸化皮膜・アーク生成物が堆積して接触抵抗が上がる。溶着の逆の故障。銀接点は硫化・酸化皮膜ができやすく、低電圧・中電流では皮膜を突き破れず導通不良になる。
対策
- コイルにサージ対策 (ツェナー+ダイオード or バリスタ) を必ず入れる
- コイル電源の配線を太く短く、負荷時の電圧を確認
- 通常停止はモータドライバ側で行い、リレーの有負荷遮断は緊急時のみに減らす
- 根本対策は密閉ガス封入の DCコンタクタへの置き換え (接点酸化・荒れ自体が起きにくい)
適するカテゴリ: DCコンタクタ
車載リレーや AC パワーリレーではなく、EV/バッテリー回路用の DCコンタクタ。密閉ガス封入や磁気吹消で DC アークを消す構造を持つ。
| 型番 | 連続 | 備考 |
|---|---|---|
| オムロン G9EA-1 (DC24V コイル) | 60A | 現行品、国内入手容易。第一候補 |
| TE KILOVAC EV200 | 500A | コイル 9〜36V 対応 (エコノマイザ内蔵、保持 1.7W)。過剰性能だが確実 |
| GIGAVAC GX11 | 150A | コイル電圧バリエーションあり、密閉型 |
| パナソニック EVリレー (AEVG 系) | 60A〜 | 現行ライン。旧 EPリレー (AEP) は生産終了。コイル 24V 品の品番要確認 (AEVG16012 は 12V コイル) |
G9EA-1 の型番サフィックス
- 無印 / -B: 性能同一。-B は取付ブラケット付きかどうかの違いのみ
- -CA / -B-CA: 高通電電流タイプ (100A 通電)。遮断性能は限定的 (過負荷遮断 DC120V 100A 150回のみ規定) なので、有負荷遮断する E-stop 用途には選ばない。開閉・通電タイプ (無印 / -B) を選ぶ
推奨
第一候補: G9EA-1 DC24 または G9EA-1-B DC24。予算・重量が許せば EV200。いずれも上流にヒューズを入れる。
関連
- (今後追加: /docs/robotics/power-distribution 等)
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